ガチャガチャが怖い

ガチャガチャが怖い。

 

決して安くない硬貨を何が何だかわからない機械に投入する。何が出てくるのかもこちらからは決められない。

 

しっかり回るのか、ちゃんと中身は出てくるのかという不安。

 

予想より大きくハンドルを回さないといけない。やる度に回すのが足りなくてちょっと焦る。

 

無事にガッチガチか脆すぎるかのどちらかな包装のカプセルを取り出すと、その場は人が居たり立ち止まるべきでなかったりですぐに開けることはできない。おあずけになる。

 

この時点で疲弊して中身が何かなんてもはや気にしていない。

 

座って落ち着ける場所で思い出したかのように取り出すと、カプセルを開き、無理に曲げられて触り心地最悪な紙の上にある中身を見る。

 

満足いくものが当たった試しがない。

 

少しだけ落ち込んでしばらく眺めるともう満足する。寿命も短い。

 

最近はやわい上下一体型のプラスチックが主流なのか、硬くて上下に分かれる、叩くとポコポコ小気味良い音がするあのカプセルは見なくなってしまった。

 

落ち着ける部分がひとつもない。私はそういうガチャガチャが怖い。